2013年3月29日金曜日

がんばれ、オーストラリア代表!そして黒歴史へ・・・? その5 オーストラリアのスポーツ事情

元英国領に詳しい方はご存知であるでしょうが、サッカー発祥の地であるイギリスを母国にもったオーストラリアにおいて、以外にもサッカーはナンバー1スポーツではありません。どうしてもイギリス、というとプレミアリーグのイメージがあるせいかサッカーと思われがちですが、当イギリスにおいてもナンバー1スポーツ、と言えばラグビーになります。

オーストラリアにおいてもそれは例外ではなく、ラグビーワールドカップでもチャンピオンになるほどにそのレベルは高く、競技人口も他を寄せ付けないトップの人気を誇っています。


オーストラリアにはラグビーリーグ(通称:NRL)、ラグビーユニオンという2つのプロリーグがありまして、ルールに多少の違いがあるんですね。NRLは日本でもおなじみの伝統的なラグビー、リーグのほうはタックルとスクラムに制限があり、伝統的なラグビーに対してもっとスピーディーなゲーム展開が売りです。


このラグビーとほぼ同等の人気を誇るのが、オーストラリア式フットボール(通称:AFL)です。


ノースリーブの漢どもが楕円形のボールを投げて、蹴って、これまた楕円形のフィールドを走り回り、4本のポールの間にボールを蹴りこむことでポイントを競い合う、というなんとも馴染みのないスポーツですが、世界でも他に例のないスポーツにしては以外に面白い。

アイルランドのゲーリックフットボールが原型といわれるこのAFLは地域密着型のクラブチームがオーストラリア各地にあり、幅広い人気を誇っています。もしチャンスがあったらスタジアムで観戦されることをお勧めします。


サッカーはまだ出てきません。第3位に来るのはクリケット。元英国領ではおそらく一番盛んなスポーツでしょう。野球の原型となったスポーツですね。多くは語りません。小生、どうにも未だに何が面白いのかわからない・・・


その次に来るのがテニスかな?待ちにかならず一つはテニスクラブがありますし、お金持ちの間では自宅にテニスコートを持つことがステータス。全豪オープンなどもあり、歴史的にもいいテニスプレイヤーを排出しています。


そして、ここでやっと登場するのがサッカー。元々セミプロのNSLというリーグがあったのですが、Jリーグの成功を受けて、そしてワールドカップ再出場への熱もあって、Aリーグという完全プロリーグが2005年に誕生しました。まだ発展途上のリーグで、安定経営はまだまだ先ですが、いち早くクラブライセンス制度を導入し、サラリーキャップ(総選手給料の制限措置)制度を持ったこのリーグは金満ビッグクラブの存在がなく、毎年優勝クラブが変わる非常に見ごたえのあるリーグになっています。各クラブ、一人だけこのサラリーキャップ外の選手を雇うことができ、上の写真にもあるとおり、小野伸二、デル・ピエーロ、エミール・ヘスキーなどといった往年のスターが余生を送っております。

リーグのサッカーレベルはアジアでも中位クラス。AFCチャンピオンズリーグに勝ったことないですし、以前のJリーグのようにこういった客寄せパンダ的な選手がスタメンをはれる、という時点でお察しください。


と、言うわけで、サッカーの人気は国内でも一段下がるのが現状です。才能ある若者たちはラグビーやAFLに流れてしまい、サッカーをプレーする子供たちはクロアチア系やイタリア系のサッカー大好き移民の2世3世が主になっています。それでも平均して体格が大きいですし、オーストラリアの人たちは何かしらスポーツをすることが当り前になっていますので、そのあたりの身体能力で何とかしているのが現在の立ち位置なのかもしれません。


どのようなスポーツに携わっていても、オーストラリアには確固とした育成システムがあります。子供たちはまず、地元のクラブに入ります。そこである程度頭角を現してくると、こんどは市選抜チームに呼ばれ、そして州選抜へ。国中にその才能を知られる選手になれば、政府の管理するAISといわれるスポーツエリート養成学校に編入されます。世界で活躍するスポーツ選手の80%がこのAIS卒業生でして、ここに入れれば将来の成功は約束されたも同然、というシステムになっております。

そんなオーストラリアのスポーツ事情、次回はとうとう現代表に迫ります!

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